終末期医療における在宅医療

終末期医療における在宅医療

ある程度体力のある人にとって、在宅医療は自分の生活のペースを維持するためにメリットがあります。例えば、透析治療が必要な人のうち、血液透析ではなく、腹膜透析という在宅でできるものであれば、日中の仕事の面でかなり違いがあります。血液透析の場合、週3回、透析のできる病院や医院に通い、1回4時間くらいの処置を受けます。ところが腹膜透析であれば自宅に帰ってから自分でできるため、会社員の方であれば、退職することなく仕事を続けられます。そのほかにも自分でしっかりと管理できる状態なら、わざわざ通院する時間が削減され、自分の時間を持てることでしょう。ただ、終末期医療の場合は、患者本人と周囲がよく相談し、決めるべきです。自分の最後を住み慣れたところで、親しい人に看取ってもらえるというメリットがありますが、麻薬などの疼痛管理が必要な場合はそれに対応してくれる往診可能な医師がいるかどうか、点滴や喀痰吸引など訪問看護の体制がとれるのかどうかといった点を確認しなければなりません。終末期のケア体制に問題があるのであれば、無理に在宅を選ぶのではなく、病院に入院しているほうが、患者ご本人にとってもご家族にとっても幸せな場合もあります。いずれにせよ、医師の説明をよく聞き、支援としてどんなことがあるのか十分に相談することが大切です。